バラを育て始めるとよく耳にするのが、「バラって難しいよね」の一言。
どんどん葉っぱや株の状況が悪化し「やっぱりバラは病気に弱いのね、、」と、早々に諦める方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
それもそのはず。
バラにとって大敵の病害虫は、私たちには見えないところで活動を続けているので、注意深く観察しないと見落としてしまいます。
例えばハダニ。葉の裏にも卵を生みつけるため、気付く頃には葉っぱはかすり状になってしまい、光合成をする葉が阻害され機能不能になります。
この様に基本的にバラに害を及ぼす病害虫は大変小さいため、発見が遅れがちとなり、その結果「あれ?」と気付く頃には、すでに症状はかなり進行していることも。
こうして一度病害虫に侵された後、みるみる間に症状が広がり手が付けられなくなった経験が頭から離れず、「何回育てても、バラは失敗しちゃうのよ」となるのです。
成功の秘訣は、正しい知識。
バラにとって大敵の病害虫。基本はそれらによる被害が広がる前に予防すること。
たったそれだけで、悩みが一気に解決します。
病気になってから薬剤を散布するのではなく、お手元にバラが届いてすぐ予防の薬剤をシュシュっとする。
病害虫に侵される前に行っていただく「予防剤」の活用です。
このシンプルな対応をきちんと続けることで、初心者の方でも、必ず「次のお花を咲かせる」ことができます。
治療よりも予防。キレイなお花を保つために、常日頃から病害虫に負けない予防をすることがミニバラを上手に育てる何よりの近道です。
「健康な葉っぱ」を保つ
ミニバラを育てる上で最も大切なことは、健康な葉っぱを保つこと。
例えば、根っこがお水の与えすぎで根腐れを起こしている場合は、当然茎や葉も比例して元気をなくします。
逆に根っこが元気な場合も、葉っぱが病害虫に侵されてしまうと葉緑体が破壊された葉では十分な光合成を行うことが出来ず、結果、必然的に根も悪影響を受けます。
健全な根っこを保つために、より健康的な葉っぱを維持すること。それこそが美しいお花を長く楽しむための、最大の秘訣なのです。
ミニバラを悩ます、主な病害虫。
・「ハダニ」 高温乾燥の時期、夏から秋にかけて大発生、バラの大敵
・「うどん粉病」 白い粉が葉を覆い、葉は波打ったように変形、光合成を妨げ生育不良に
・「アブラムシ」 春秋に多く新芽や花首に群生、排せつ物が他の病気を引き起こす
・「黒星病(黒点病)」 梅雨時期に要注意、葉が濡れた状態が続くと発症、瞬く間に拡がり最終的に葉を落葉させる
・「スリップス」 花弁の樹液を吸い、花にシミができてしまう、蕾の中にも入り込む
この5つの病害虫を予防することが、バラを育てる「鍵」を握るのです。
「治療」ではなく「予防」をする
病害虫に侵されてしまった葉は、光合成が出来なくなります。
下の写真のように悪化してしまうと、もう手遅れ。後戻りできません。
だからこそ、葉がこのようになってしまう前に薬剤で事前に予防することが大切。
症状が悪化してからの治療よりも、事前に予防することの方が簡単なのです。
バラに害を及ぼす病害虫。活動が盛んな時期はそれぞれですが、どの病害虫にも共通して言えることは、それらには全て潜伏期間があること。
そのため気付いた頃には時すでに遅しといった状況になってしまいます。
このように、油断していたらすでに感染していた!という
それを見逃さないためにも前もっての予防が何より大切で、確実に効果をもたらしてくれるのです。
効果を高める薬剤の使い方
Point1「薬剤は大きく分けて3つに分類されます」
①殺菌剤・・・病原菌に効果
②殺虫剤・・・害虫に効果
③殺ダニ剤・・・ハダニに効果
※殺虫剤ではハダニに対しての効果が薄いので、ハダニには殺ダニ剤が効果的。
Point2「ローテーションして使うと効果的!」
同じ薬剤を使い続けると病害虫がその薬剤の耐性を持ってしまい、徐々に効かなくなってしまいます。これを抗体と言います。
それを防ぐためにもいくつかの異なる効果の薬剤をローテーションして使うことが大切。
ただし、銘柄が違う薬剤をただ交互に散布するのはNG!
抗体を持たせないために、系統・成分の異なる薬剤をきちんと選び、それらを順に散布することで効力の高い薬剤ローテーションとなり、実際に葉や株を健康に保ち続けることが出来るのです。
・ローテーションする薬剤は、種類が多い方がより一層効果的。
・薬剤の数が多いほど、病害虫に耐性がつきにくくなる。
・育てる環境や株の状態に合わせて本数を選ぶ。
初心者の方でも安心のおすすめの薬剤
ローテーションと言われても、実際には「どんな組み合わせが良いの?」「効果の優れた薬剤はどれだろう?」と悩むものです。
そこで、生産者の知識を生かし、ミニバラを知り尽くしたプロが薬剤を厳選しました。
安心安全の「オーガニック」と、より効果の高い「化学農薬」。
お育ての環境や、どのように薬剤を使いたいかを検討しお選びいただけたらと思います。