ミニバラに発生する9種類の病害虫
年間を通していつ頃、どんな病害虫に注意すれば良いのか。
発生しやすい時期を把握しておけば、すぐに対処しやすくなります。
1月~12月までこのように表で見ると、12月~2月と冬の時期以外は病害虫の活動期間となり条件が揃ってしまえばいつでも発生、発症してしまうという事になります。
それを防ぐためにも予防として薬剤散布をしたり、日頃から花や葉の状態をよく見てあげると良いですね。
■うどん粉病
ミニバラに発生する代表的な病気の一つで、花首や若葉に発生し真っ白な粉をふいたようになります。葉は巻いてしまい波打ったようなり、花首も曲がってしまいます。
症状がひどくなると、葉の表面が白い粉で覆われてしまい上手く光合成が出来ずだんだんと株が弱り花が咲かなくなったり、最終的に枯死してしまう場合もあります。
■黒点病
葉に黒や暗褐色の斑点が現れます。つぶつぶの点、丸い大きな点、シミみたいなものも症状の一つです。その後、葉が落ちてきます。感染が進むと黒点の周りからだんだんと黄色や褐色に変色し、葉が落ちることがあります。
また花つきや植物全体の健康状態が悪化して株が弱ってくることがあります。
■灰カビ病
茎葉が溶けるように腐り、さらに病気が進行すると灰色のカビに覆われます。花では花弁に水滴がにじんだ様な跡がつきます。
病気が進行すると花が褐色になり腐ってきて、やがて灰色のカビに覆われます。剪定切り口や、茎と土の接点から菌が侵入し、茶色く変色。ひどいとバラが枯れてしまいます。
■アブラムシ
アブラムシはミニバラの新芽の柔らかい部分や花首などに群生します。新芽や若葉の裏をよく見ると、小さな緑色の虫が付いていることがあります。これがアブラムシです。
群がって葉や茎の樹液を吸うため、養分が吸われて葉や芽が縮れたり、しおれたりします。下のほうを見てみると白い脱皮した皮が落ちているので要チェックです。
■ハスモンヨトウ
ヨトウムシは食欲旺盛で、被害が進行すると葉脈を残して葉肉部を食べつくされます。
卵は葉の裏に産み付けられ、孵化すると群棲して食害します。
孵化後は3日~4日目で葉っぱが透けてしまうほど食べられてしまう事も。特にハスモンヨトウは群生しています。
■アザミウマ(スリップス)
蕾が開き始めると、花弁の隙間から侵入してきます。花弁の一部にシミができ、次第に茶色に変色していきます。
スリップスに特に注意が必要なのは黄色や白色、淡いピンクなど明るい色の花です。
折角綺麗に咲かせたバラにシミができてしまったら悲しいですよね。蕾が被害を受けることもあり、その場合は花が咲かなくなってしまいます。
■ハダニ
ハダニは葉の裏に寄生し汁液を吸います。被害にあった葉っぱは白い細かな斑点が出て、数が増えるとカスリ状のような食害痕がみられます。
ひどい場合にはクモの巣のような巣をつくり、やがて葉は枯れ悪化すると株自体も枯死してしまいます。
■チュウレンジバチ
成虫で体長2cm程度の小さなハチで、頭部・胸部・脚は黒色、翅も黒っぽい色をしていますが、腹部だけオレンジ色をしているので簡単に見分けがつくでしょう。
チュウレンジハバチはバラの茎を縦に傷つけながら産卵するため、美観が損なわれます。産卵痕の裂け目から病害が発生することもあり、良いことは一つもありません。幼虫が這い出た後はさらに大きく裂け、最悪の場合は枝が折れてしまいます。
幼虫は集団でバラの葉を食害します。葉の端側から周囲を食べていくクセがあり、太い葉脈以外は完全になくなってしまいます。幼虫がいる葉の下には黒いフンがパラパラと散らばっているでしょう。
■クロケシツブチョッキリ
名前の通り、黒くケシツブ程の大きさ(体長2~3mm程度)の甲虫類です。バラの新芽や蕾の少し下の茎に針のような口器を挿して加害し、新芽や蕾が折れてしまいます。
このとき、蕾の茎に産卵をし、折れた茎や蕾の中で幼虫が育ちます。折れた蕾はやがて地面に落ち、幼虫は土の中にもぐって蛹になります。
病害虫を見つけたら
まずは症状をよく観察し、何の病害虫が原因なのか当てはまるものを見つけてみて下さい。
その後病害虫に合わせた対処をしていきましょう。
症状が軽い段階であれば、取り除いたり拭き取ったりするだけでも拡がるのを防ぐ事ができます。また周りの植物に移らないよう少し距離をとって様子を見ることも大切です。
それぞれの病害虫についての記事も載せていますので是非参考にしてみて下さい。